ジョージアの秘境と呼ばれるウシュグリに行く拠点となる街メスティアでは復讐の塔という古い塔が沢山立っています。
そんな復讐の塔はほとんどが個人の所有物で、中に入ることはできませんが、メスティアには無料で入れて、上に上がることができる復讐の塔があります。
今回はそんなメスティアで無料で入れる塔をご紹介いたします。
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復讐の塔とは
復讐の塔はメスティアやウシュグリあるスヴァネティ地方特有の文化によって造り出されたもので、その起源は恐ろしいものでした。
この文化は「血の掟」と呼ばれ、「自分または家族の一員が危害や侮辱を受けた場合、相手もしくは相手の家族に必ず復讐をする」という内容だったのです。
こういった文化があるため、自分や家族が誰かを傷つけてしまった場合、相手の復讐から身を守るためにこれらの塔が各家ごとに造られて、しばらくの間身を隠すことになったのです。
日本の閉鎖された田舎でも稀に恐ろしい村の掟のようなものが存在していたと言いますが、このスヴァネティ地方も街からは隔離された村ばかりなので、こういった変わった掟ができてしまったのかもしれません。
それが現在も建築物として残っているというのは非常に興味深いものがあります。
ただ、この塔の起源は諸説あって、昔この地方では砂金が多く採れた為、略奪者が多く現れたので、それらの外敵から身を守るために造られたという説もあるそうです。
無料で入れる塔はここ
メスティアやウシュグリに復讐の塔は沢山あるのですが、基本的に個人の家に造られているものなので、どこでも自由に入れる訳ではありません。
単純に解放されている復讐の塔は限られています。
しかし、メスティアにはそんな復讐の塔が無料で公開されている場所があります。
それがこちらの「マルギアニ博物館」です。
外観はこんな感じです。
ここはマルギアニというこの村出身の登山家さんの家を博物館にしたものです。
この登山家さんはかなりヨーロッパでは有名な人だったようで、僕が訪れた時もテレビ局か何かの取材陣がいました。
博物館自体を見てまわる為には一人5ラリ(約200円)を支払う必要があります。
昔の人達の生活感なども知ることができるので、そういった文化に興味のある人は見学されると良いでしょう。
塔の内部
博物館は有料ですが、併設されている復讐の塔には無料で入ることができます。
中はとても質素で、本当に身を隠すだけといった感じです。
元々そういう造りなのかどうかは分かりませんが、塔の屋根まで登れるようになっています。
屋根からはメスティアを一望することができますよ。
ここから近隣の復讐の塔もみれますし、とても気持ちがいいです。
ただ、屋根はあまりしっかりしたものではないですし、手すりなどがあるわけではないので、十分注意してください。
博物館の人もとても親切で、僕が訪れた時も取材が来ていたにも関わらず色々と教えてくれました。
是非行ってみて下さい。